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対立の中に存在する仮定を明確にしたい——「対立を見える化すると何かがわかる?何かが変わる?」というテーマで勉強会を開催されたそうですが、どのような内容だったのでしょうか?
佐々木順一さん(以降 佐々木):毎月開催している東京支部の定例会で、意見が対立した場合の道具を紹介したいと思いました。以前、藤田さんが「TOCをファシリテーションの道具として使っている」と言っていたので、TOCfEのクラウド(対立解消図)をいつかやりたいと思っていたんです。
意見が対立したときのアサンプション(注記:「仮定」のこと)をしっかり書き出して共有することができれば、それがファシリテーターの武器になるのではないかと考えていました。なので、クラウドを書く際、アサンプションもしっかり書きましょうということを伝えました。
——アサンプションを書き出すことで、それがファシリテーターの強い武器なるというのは、非常に印象深い言葉なのですが、もう少し具体的に教えていただけないでしょうか?
佐々木:ファシリテーターが対立を解消する時、異なる意見の背景をしっかりつかむことがポイントとなります。その人がなぜ、その意見を主張しているのか、それが、個人個人の持っているアサンプションなんですよね。それを見えるようにすることで、相手の考え方、相手の立場にたって物事を考えられるようになる。この点に関して、TOCfEのクラウドは非常に適したツールなのです。対話にかける手間が1つ減ると言うんでしょうか。「私はこの対立をこういう風に捉えているんですよ」ということがお互い見えるようになることが、ファシリテーターが対立を扱う上で、大きく役立ってくれるのです。
1枚の紙で問題の状況が手に取るように分かるようになる。それを活用したイベントができたら・・ ——充実した勉強会だったようですが、今後、TOCfEを扱う様なご予定は決まっていますか?
佐々木:アンケートでは、もう1回やって欲しいという声があります。ただ、東京支部では今のところ次の開催は未定です。また、クラウド以外のツールもやってみたい気持ちはありますが、2時間程度で何ができるかな・・と思うと、再びクラウドを扱うことになるかもしれません。
——テーマや時間的な問題など、いろいろと制約はつきものですよね。もし、これらの制約がすべて存在しないとしたら、どんなことをやってみたいですか?
佐々木:沖縄と札幌など、遠隔地で同時開催してみたいですね。同じ題材で別の地域の人がクラウドを書くと、どんな違いがあるか見てみるのも面白そうです。
藤田:これまで、東京支部と富山サロンでのみTOCfEを扱いましたが、それ以外の支部でもやってみたいです。最近、東北スクエアの方、具体的には宮城や秋田、福島の方と話す機会が多いので、そちらで開催してみたいです。
——東北のこのエリアで開催できたら、意味のあることができそうな気がしますね。
藤田:クラウドを書いてしまうと、これだったらこんなアイデアあるよね・・という解決策を提出しやすいですしね。
——もし、それが実現したら、何がおこりそうですか?
佐々木:例えば福島などの方が今の自分たちの問題をクラウドに書いてくれたら、被災地の問題が我々でも手に取るように分かるようになるのではないかと思います。言葉で聞くよりきっと伝わってくるものがあるはずだと。
藤田:問題を見える化する勉強会があるならば、もう一方で、解決策の考え方を集中して行う勉強会も面白いかもしれません。Win-Winのソリューションの導き出し方のみ、みっちりやるのも1つのアイデアですね。
また、権威あるファシリテーターの方々は、対立は怖いものじゃない、もっと楽しもうよ、とか、むしろ歓迎すべきだと言いますし、本にもそう書いてあります。でも実際の現場では対立は嫌だと感じる人の方が多いと思うんです。その点、クラウドを知っていれば、対立って意外と面白いと本当に思うようになります。ファシリテーターがそのことがちゃんと腹に落ちて、「対立は歓迎すべきもの」とはこういうことか・・と分かるということに、大きな意味があると思います。
それができれば、富山や金沢あたりの方言で言うと、「いいがになる」(好い加減になる)ことが沢山ありそうです。
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