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札幌新陽高校にて先生方50名以上の対話の場にてTOCfEを体験いただきました!

札幌新陽高校と『中つ火を囲む会』 まずは、今回ワークショップを開催させていただいた札幌新陽高校をご紹介したいと思います。 札幌新陽高校は、『自主創造』を校訓とする、北海道札幌市にある高校です。 新陽ビジョン2030を掲げ、新しい取り組みを次々と展開する学校として、近隣地域はもとより、各方面から注目されている高等学校でもあります。 さまざまな領域での目指す姿をまとめ上げた、そのビジョンは、

人物多様性Diversity & Inclusion - サステナブルな社会を目指して、生徒・教職員・社会が協創す

SHINYO VISION 2030 なんて素敵なビジョンなんでしょう! そして、これらのビジョンを実現する道のりにおいて、札幌新陽高校の赤司校長は、

職員会議を廃止し、焚き火を囲むようにフラットに対話する会を全職員で作りたい と、月1回、先生方が集まり対話する場、『中つ火を囲む会(通称:中つ火)』を開催することにされたそうです。 『中つ火』、そして対話に関する赤司校長の思いや、それが目指す姿につながるということに関しては、是非こちらのブログをご覧になってください。

『中つ火』を囲む輪が広がる予感 【週刊新陽 #47

2時間でTOCfEを味わってもらうために準備したこと このワークショップのご依頼をいただいて、猛烈にワクワクした私ではありましたが、『中つ火』の開催時間は2時間、参加される先生は50名〜60名とお聞きして、ちょっとだけ遠い目になった私がいたことをここに告白します。(笑) TOCfEのツールを学ぶ、NPO主催の『認定プログラム』は、丸4日で実施されており、しかもそのコンテンツはかなりのボリュームです。 また、TOCfEのツールは非常にシンプルで、小学生の子供たちでも活用できるものですが、思考と対話のツールと呼ばれているだけあって、ツールの使い方がわかることが、必ずしも思考方法が身に付くこととはイコールにならないということを私たちは繰り返し体験しています。 そこで、この2時間が価値ある時間となるように、赤司校長と、札幌新陽高校の学校変革をご支援されている熊平美香さんに、『中つ火』の時間内で力点を置きたい対話のテーマなどをお聞きし、まずは、大枠の時間配分について設計することから開始しました。 (熊平さんの札幌新陽高校での支援内容については、以下の記事をご参考に:

  1. 【チームになる学校】多様性を尊重する教育と、学校変革に挑戦する札幌新陽高校の起源


学習する学校 札幌新陽高校の取り組み) そして、お二人のご意見から、学校が目指している探究的な学習をテーマに、アンビシャス・ターゲット・ツリーを活用した対話の時間に力点をおくことに決定しました。 次に重要になるのが、解説を最小限にし、ツールを活用した対話の時間を2時間の中に確保することです。 繰り返しになりますが、ツールの使い方は至ってシンプルですが、実際にTOCfEという対話の道具を使って考え、人と対話することを体験しない限り、一体それが、ツールを使わない対話とどう異なるのかが分かりません。 そこで、最大60名の先生方が参加されることを想定し、1チーム6名のグループ(Zoomでのオンライン開催でしたので、6名ごとのブレイクアウトセッション)で、10名のグループファシリテータが入るという設計にしました。 赤司先生と熊平さんには、「え!10名のボランティアファシリテータ?!」と驚かれたのですが、ここが全国に広がるTOCfEコミュニティに支えられているが故の底力と自負している点で、札幌新陽高校の紹介と、開催日時、開催目的を、各地で活発に活動してくださっているTOCfEコミュニティのメンバーに伝えたら、あっという間に10名が集まってくださいました。 事前準備から、当日のファシリテーションまで、楽しみながらご支援くださった皆さんは、こちらの方々です(当日の投影スライドより転用)。

  1. キックオフ:自己紹介と本プログラム参加に期待することを共有する(全員参加)

  2. プログラムレビュー:当日のプログラムを一旦、私とコミュニティメンバーの平方さんとで作成し、任意参加者でレビューしてらう(任意参加)

  3. テクニカル(環境)チェック:先生方がChromebookをお使いなので、Googleのツールを使ったワークショップ設計と当日のオペレーションの確認(任意参加)

  4. リハーサル(全員参加 という4回のセッションで、それぞれ最大2時間、早く済んだ回は1時間程度という感じでした。 この人数、しかも初めて顔を合わせた人もいる中で、この様に準備を進められたのは、さすが百戦錬磨のTOCfEファシリテータの皆様・・という感じでした。

中つ火 with TOCfE! こうして迎えた当日ですが、何より驚いたのは、札幌新陽高校側で行っていただいたZoomのオペレーション支援です。 一言で言えば、「めっちゃ慣れてる!」。オンラインのワークショップを開催するにあたっては、まさに神対応のテクニカルサポートをいただき、私たちは、安心して、当日のファシリテーションに集中することができました。 また、ワークショップの最中に何回か問いかけて、チャットに書き込んでもらうタイミングがあったのですが、その反応(回答のスピードと量)にも驚きました。すごい量がすごいスピードで上がってくるのです。やはり、これは先生方が常に対話を積み重ねて来られており、それぞれの意見をオンライン上でも出していくことに慣れてらっしゃることを示していると感じました。

  1. 「すぐ解決策を考える」というより、思考が整理される。特に複数の人数で現状を整理して解決策を練るというプロセスにおいて、とても有効であると思いました。

  2. 言葉にして書き表して、並べ直して検討する機会がないので、見えるのは新鮮。

  3. 問いを絞って会話することで、改めて自身の課題なども認識できた。 などの感想をいただき、すぐにATTをご自身の道具として活用される柔軟さ、感度の高さに感服しました。 他、ワークショップの内容は、赤司校長が素晴らしく分かりやすくnoteにまとめてくださっているので、ぜひ、ご覧になってください。

多様性を活かす思考と対話の手法〜教育のためのTOC 【週刊新陽 #82

ふりかえり 実は、本ワークショップのボランティアメンバーの皆さんとのふりかえりを、まだ行えていないのですが、オンラインでいただいたコメントや、私自身の学びを書いておきたいと思います。 私たちは、クリティカルシンキングの道具、教育のためのTOCを活用しながら、人の多様さを価値に変えることを常に志している側面があり(TOCfEとは何か?と言えば、それは、Assumptiom(仮定)だ・・と会長のKathy Suerken氏も申しております)、人物多様性をビジョンに掲げていらっしゃる札幌新陽高校の先生方にツールをご紹介できたことは、本当に心から感謝したいかけがえの無い経験となりました。 今回、2時間の予定を30分ほど延長させていただき、2時間半ほどの時間でTOCfEの3つのツールをご体験いただくワークショップで、その価値を味わっていただける時間をどのように生み出すかに私たちは悩んだのですが、手放したのは、ツールの使い方を「ちゃんと教える」と言うことでした。 今回お手伝いいただいたボランティアメンバーの方が、「ツールをちゃんと教えようと言うことを手放すと、対話の方に集中できる」(若干うろ覚えですが・・汗)とのコメントをくださって、このことが、実はTOCfEの活動において、とても重要なことはないかと改めて実感した体験だったと、私は感じています。 私たちは、何かを教えるという立場に立つと、少しでも正確に、少しでも多くのことを伝えたいという意識になりがちです。もちろん、必要な情報をきちんと提供することは重要なことではあるのですが、人が1回で解釈できる量には限度があります。では、どうすれば良いのか・・という1つの答えが、「学びの火を付ける」ということだと思うのです。それが叶えば、不足している情報は自ら取りに行くことに繋がります。中つ火において、奇しくも、「生徒さんたちが主体的にもっと学びたい/知りたいと思う」というテーマでATTを作成していただきましたが、学びの主体性を引き出すためには、教える側が何を引き算するのか・・が非常に重要な観点だったように感じます。また、赤司校長からは、次回の中つ火でも、TOCfEを使ってみるとご連絡をいただいており、ファシリテータ一同、とても嬉しく思っています。 更に、学校の中に多様さを取り込んでいきたい、そして、学校の中は、そもそも多様だよね・・と、常に学校の門を開き、外の風を感じる中で、その内側にある多様さを活かす活動を続けていらっしゃる、札幌新陽高校の先生方、赤司校長の柔軟なリーダーシップに触れる貴重な経験をさせていただきました。異なる環境に触れることが、自己の「当たり前」を含めた自分自身を認知することにつながり、私たちを次のステージに向かわせてくれる感覚も得ることができました。 赤司先生、そして札幌新陽高校の先生方には、改めてお礼を申し上げたいです。そして、TOCfE北海道のコミュニティもありますし、また是非、交流させていただきたいと思っています。

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人が秘める可能性を解き放つヒントをくれた ~ 教育のためのTOC創立25周年記念 国際オンライン・カンファレンス2020開催レポート ~

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